2008.10.7
朝、列車の汽笛と揺れで目が覚めた、
時刻は7時30分。 少し寒い。
自分の荷物がすべてあることを確認して一安心。 外国の旅は自分の荷物は自分で守らなくてはならないので寝台列車や長距離バスに乗る場合寝てしまうたびにチェックを入れる習慣が付いてしまう。
ダージリンエクスプレスは直接ダージリンに向かうわけではなく途中の駅までしか行かない。
そもそもダージリンに行く列車とは軌道の幅が違うから直通列車は無いのだ。
それにしても嫌な天気だ。
ジトジトうっとおしく雨が降る・・・ 確かもう乾季に入っているはずなんだが。
昨日寝る前に窓の建付けが悪いことに気が付き雨の進入もあったのでコピーして持ってきていたガイドブックを窓にはさんで無理やり窓を閉め寝ていた。
コレは案の定雨をくらい、びしょ濡れになってしまいなぜか茶色く変色した。
まぁ吹っ飛んでいかなかっただけましか・・・
お腹がすいていたがもうすぐ到着時間だしとりあえずチャイだけオッサンから買って飲んだ。
朝は暑いチャイに限る。
それにしても待っても待っても目的地のニュー・ジャルパイグリに着かない。
あぁ、またか。
結局1時間半の延着。 まぁマシな部類である。
次の列車は30分後に出発の予定だったので素早く朝食を買って乗り換えのホームに向かった。
朝食はプーリーを買った。 どうでもいい事だがインドの人は汁物を袋に入れる事がよくある、お持ち帰りなんかしようものならすかさずビニール袋に入れる。
この習慣は最初は『えっ?』ってなる。 ビニール袋にカレーを入れるわけですから。
でも彼らからするとビニール袋はかさばらないし何でも入る(液体も)その上単価も安い、と利用価値ありすぎなわけなのだろう。
ビニール袋に入れられたカレーは、、もちろん食べにくい。
さらにどーでもいい話だが、この朝食のプーリーを牛が狙ってきてものすごく寄ってきて怖かった。
まぁ駅のホームに牛がいる時点で若干おかしな事態なんだけど。
世界遺産ダージリン・ヒマーラヤ鉄道
通称トイ・トレインと呼ばれるこの鉄道はアジアで最も古い登山鉄道なんだそうだ。
全長88km 標高差2000m 線路幅61cm
世界中にファンが多い鉄道だと、後になって知った。
そんな電車を待つこと2時間・・・
1時間半遅れで電車が来た。
凄く狭い軌道の上を走るその姿は名前どうりトイトレインだ、本当に小さい・・・
駅員が乗車手続きを開始しすると客がどっとよってきた。
チケットはファーストクラスのチケット。
列車は間違い無さそうだしまぁ問題ないだろうとゆっくり構えていると何やら席が無さそうな雰囲気・・・
と思いきやある? いや無い? というのを何度か繰り返していると知らない間に席が決まった。
ファーストのチケットを取って座れなかったら悲しいだろうな、まぁセカンドとの料金の差額なんてほとんどないわけだが。
とにかく列車は動き出した。
ゆっくりゆっくり進む。
本当にゆっくり、人の足で全力で走ったら追いつくようなスピードでスラム街を抜けていく。
スラム街のど真ん中をゆっくり抜けていくもんだから人々の暮らしがよく見えた。
人々はなぜか手を振ってくれた。
まるで天皇にでもなったかのようだ、みんな笑顔で手を振る。
ちょっと怖い。
列車はスラムを抜けて山に入る。 ここからがこの列車の持ち味だ。
正直スラム街を走るもんだから登山鉄道ならぬスラム鉄道と思っていた。
しかし山へ入ると風景は一変する。
登る登る、力強く山を登る、さすが登山鉄道。
風景は見渡す限り森。
森林鉄道と言った感じか。
山間部の村の間を抜け木々の間を抜け、崖の上を走る。
スピードは遅いけど。
岩肌とかすれすれを走るので顔を出していると重症を負うことになりそうだしよく謎の木の実や葉っぱが車内に転がってくる、なかなかハードだ。
列車はスイッチバックを繰り返しながら途中休憩も挟みつつひたすら走る。
風景は目まぐるしく変わるので本当に全然飽きない。
4〜5時間走ったくらいから徐々に風景が変わってきた。
霧に覆われた町。
この辺りの町は標高が高いことが関係しているのかずっと霧に包まれている。
人々の顔は徐々に中国人や日本人に近い顔になっていった。
犬も毛の短い犬から長い犬へと変わった。
それにしても寒い。
よく見たらダウンジャケットを着込んでいる人もいる。
そうか、東南アジアでも寒い地方あるんだな・・・
そりゃそうか、標高考えたら寒いに決まっている。 とか思いながらユニクロのフリースに袖を通す。
余談だがユニクロのフリースはかなり使える。 軽くて暖かいから、
最大のネックはかさばる事。 旅行に大きな荷物はNGだから。
でもそんな問題も衣類の圧縮袋と言う裏技を使えば全然問題にならない。
衣類の圧縮袋でかさばるフリースも「小さい、軽い、暖かい」の三拍子そろってしまうからやめられない。
日が暮れてくると急激に面白味が無くなる。
それにこの列車1時間30分も遅刻したくせに急ぐ気は全然ないようだ。
だいたい一番最初の出発駅なのに遅れるなんてどうかしているんだよな。
そう、 出発駅だと言うのに1時間半も遅刻してくるなって。
どれだけ怠けたらこんなに遅刻するよ?
まぁいいや、朝、プーリーを食べただけだったのでお腹がすいた。
この列車、たまに駅に止まるけどもトイレ行ったりしてたらもう出発してしまう、だから食べ物を買うヒマが全然無い。
それでも何とかスナックを買ってチャイも買った。
それからなぜか先頭車両が蒸気機関車に変わっていた。
いつの間にすりかえたの全然分からなかった。
蒸気機関車は「ポワ〜」といい音の汽笛を鳴らしながら進んでいくのだがもう外は真っ暗なので写真は撮れない。
予定ではPM7時くらいにダージリンの駅に到着するはずだが・・・
もう7時なんてとっくに過ぎていておまけに汽車はほとんど動かない。
どうも道の上に車とか牛とかいて難儀しているようだ、 すると乗客はわらわら降りはじめた。
何をするのか聞いてみると、『この列車遅いからジープ捕まえてそれでダージリンまで行くよ』と言っている。
私もそうしようかと思いジープを探したがどれが客を乗せて走る車か全然分からない。
あきらめて列車に戻り列車で行くことにした。
乗客はほとんど降りてしまったので列車内はガラガラだ。
結局2時間半遅れでダージリンに到着した。
ダージリンの町を見てまわりたかったがとにかく宿を探した。
一応ガイドブックに載っている宿にしようと思いいろいろオッサンとかに道を聞いて宿を探した。
1〜2回だまされて全然違う所に行ってしまったりしたけども無事に宿を見つけた。
この宿は少しかび臭いしシャワーも共同だったけども疲れていたし値段交渉もほとんどせずにRs250でこの宿に決めた。
HOTELロングアイランド。 Rs250は日本円で約500円 もっと値引きできたと思う。
お腹がすいていたので近くのレストランに入っていた。
結構高級っぽいレストランだったけどこの日はまともな料理を食べていなかったのまぁヨシとしよう。
いろいろ頼んでしまったがトマトスープの味は冷えた体にこたえた。
こんなに美味しいスープが世の中にあったなんて。
少しサービス料金も取られたけど体が温まってぐっすり眠れそうだ。
ホテルに帰る前にパンを買って水も買って明日に備える。
一日中電車に乗るのって結構疲れるんだなぁ。
昨日に夜に寝台列車に乗って今日の朝列車を降りてそれからずーっとトイトレインに乗っていた。
ま、鉄道網が発達したインドだから出来る旅だ。 ネパールに入国してしまったら嫌でもバス移動になるんだし。
満喫できてよかった。